関節リウマチの治療目標

監修 : 竹内 勤 先生(埼玉医科大学 学長/慶應義塾大学 名誉教授)

イラスト

ヒカリさんとT2T第2話「T2Tティートゥーティって何ですか?」

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©Saori Oguri/KADOKAWA

解説
T2T(ティートゥーティ)とは、明確な目標に向かって 治療を進めていく考え方です。

※T2T(ティートゥーティ)…英語のTreat to Targetの略。「目標達成に向けた治療」の意味。

図

Booleanブーリアン基準という指標で寛解を達成したかどうかを確認することもあります。

T2Tティートゥーティを進めるうえで大切なのが、患者さまと主治医が共に治療に取り組んでいくこと。主治医と十分なコミュニケーションを図り、疑問があれば質問するようにしましょう。 病気や治療についてご自身で勉強しておくことも大切です。

ポイント

主治医と共に明確な目標を決め、それに向かって治療するのがT2Tティートゥーティ

DAS(ダス)28:関節リウマチの病気の勢いをあらわす指標のひとつ。
医師による関節の評価、患者さまによる全身の自己評価、血液検査の炎症値を測定し、算出します。
SDAI(エスダイ):関節リウマチの病気の勢いをあらわす指標のひとつ。
医師による関節の評価、患者さまによる全身の自己評価、血液検査の炎症値を測定し、算出します。
CDAI(シーダイ):関節リウマチの病気の勢いをあらわす指標のひとつ。
医師による関節の評価、患者さまによる全身の自己評価をもとに算出します。
Boolean(ブーリアン)基準:関節リウマチの病気の勢いをあらわす指標のひとつ。
医師による関節の評価、患者さまによる全身の自己評価、血液検査の炎症値を測定し、算出します。

T2Tティートゥーティ4つの基本的な考え方(日本語版)

  • A

    関節リウマチの治療は、患者とリウマチ医が共に決めるべきです。

  • B

    最も重要な治療ゴールは、長期にわたって生活の質(QOL)を良い状態に保つことです。
    これは、次の事によって達成できます。

    • 痛み、炎症、こわばり、疲労のような症状をコントロールする
    • 関節や骨に対する損傷を起こさない
    • 身体機能を正常に戻し、再度、社会活動への参加や就労ができるようにする
  • C

    治療ゴールを達成するために最も重要な方法は、 関節の炎症を止めることです。

  • D

    明確な目標に向けて疾患活動性をコントロールする治療は、 関節リウマチに最も良い結果をもたらします。 それは、疾患活動性をチェックし、目標が達成されない場合に治療を見直すことによって可能となります。

出典:竹内勤「関節リウマチ治療における患者版T2Tリコメンデーション」リウマチ科 46(3) : 297-302,2011
Smolen JS, et al: Ann Rheum Dis. 75: 3-15, 2016

T2Tティートゥーティ目標達成に向けた治療のための10か条(日本語版)

  • 1

    関節リウマチ治療の目標は、まず臨床的寛解を達成することです。

  • 2

    臨床的寛解とは、炎症によって引き起こされる疾患の症状・徴候が全くないことです。

  • 3

    治療目標は寛解とすべきです。しかし、特に病歴の長い患者では困難な場合もあり、低疾患活動性が当面の目標となります。

  • 4

    日常診療における治療方針の決定には、関節の診察を含む総合的な疾患活動性のチェック法を用いることが必要です。

  • 5

    疾患活動性のチェック法や治療目標の選択には、個々の患者の状況:すなわち他の疾患があるか、患者に特有の事情があるか、薬の副作用に関する事情があるかなどを考慮する必要があります。

  • 6

    疾患活動性は定期的にチェックし、記録することが大切です。中~高疾患活動性の患者では毎月、低疾患活動性または寛解が維持されている患者では6ヵ月ごとに行うことが必要です。

  • 7

    通常の診療で治療方針を決定する時には、疾患活動性に加えて、関節の損傷や日常生活動作がどの程度制限を受けているかも考慮します。

  • 8

    薬物治療の内容は、治療目標が達成されるまで少なくとも3ヵ月ごとに見直されます。

  • 9

    設定した治療目標に到達した後には、関節リウマチの全経過を通じてその状態を維持し続ける必要があります。

  • 10

    リウマチ医は、「目標達成に向けた治療(T2T)」を患者とともに決定しなければなりません。

出典:竹内勤「関節リウマチ治療における患者版T2Tリコメンデーション」リウマチ科 46(3) : 297-302,2011
Smolen JS, et al: Ann Rheum Dis. 75: 3-15, 2016