フットケア

監修:野﨑 祐史先生(近畿大学病院 リウマチセンター)

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関節リウマチ患者さんは外反母趾により、足の親指が靴に当たることから皮膚トラブルが生じやすいとされています。足の傷はわかりにくいですが、こまめに両足の側面・指の間を観察することで悪化を防ぐことができる場合もありますので、是非入浴時などに足の観察をお願いします。また装具など関節変形に合わせて保険診療で作ることもできますので、変形でウオノメや傷ができやすい患者さんは主治医にご相談ください。

足の観察のポイント

できもの・傷など

  • たこ・ウオノメはありませんか
  • 靴ずれ、すり傷、切り傷はありませんか
  • 水ぶくれ、腫れ、湿疹、水虫はありませんか

爪の様子

  • 爪は伸びていませんか
  • 爪の周りが腫れていたり、化のうしたりしていませんか

皮膚の様子

  • 皮膚の色が悪くなっているところはありませんか
  • 冷たくなっているところはありませんか

その他、足全体の様子

  • 指の変形はありませんか
  • 甲や足の形は変形していませんか

足の観察で気付いたことがあったら、主治医に伝えましょう。

装具・インソール、靴について

関節リウマチによる足の異常のために歩行に支障がある場合は、それらを和らげる装具やインソールを用いるとよいでしょう。また、靴についても、 ご自身の足の状態にあったものを選ぶようにしましょう。装具やインソール、靴選びについては、主治医に相談して取り扱いのある専門の業者、 靴店などを教えてもらうとよいでしょう。

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フットケアと⽖⽩癬、⾜⽩癬

爪白癬と足白癬は、真菌(カビの一種)によって生じる疾患です。
湿度と温度が高いと繁殖しやすく、足では足底や足の指の間が好発部位です。リウマチ患者さんは関節が動きにくいために通気性が悪く、また副腎ステロイドや抗リウマチ薬等のため免疫機能が落ちて爪白癬・足白癬になりやすい環境です。
靴は通気性の良いサイズの合ったものを選び、靴をはかない時は乾燥させることが重要です。
白癬と診断されたら、家族内感染予防のために、バスマット・スリッパは別のものを使い、床・絨毯掃除をまめにしましょう。
また、皮膚科医を受診してお薬をもらうことをお勧めします。

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