お薬による関節リウマチの治療法

監修 : 金子 祐子先生(慶應義塾大学医学部 リウマチ・膠原病内科 教授)

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関節リウマチは、主にお薬を用いて治療します。お薬は、大きく分けて2種類あります。

痛みや腫れなどの症状を抑える薬(対症療法)

  • 非ステロイド性抗炎症薬
    (NSAIDs)
  • 関節の痛みや腫れを和らげる薬ですが、病気の進行を抑える働きはありません。服用に際しては腹痛などの副作用に注意が必要です。
  • ステロイド剤
    (副腎皮質ステロイド)
  • 炎症を抑え、関節の痛みや腫れを和らげます。効果が期待できる反面、合併症などの副作用に注意が必要です。

関節が壊れるのを抑える薬(抗リウマチ療法)

  • 従来型抗リウマチ薬
    (免疫調整薬・免疫抑制薬)
  • 関節リウマチの免疫異常を改善させることにより炎症を抑える薬で、関節リウマチの進行を抑える働きが期待できます。薬によって副作用が異なります。
  • 生物学的製剤
    【注射薬や点滴】
  • サイトカインに作用し、関節の痛みや腫れを和らげたり、関節が壊れるのを抑えることが期待できます。これまでの治療で十分な効果が得られなかった場合でも治療効果が期待できますが、副作用にも注意が必要です。
  • JAK阻害薬
    【飲み薬】
  • JAKという酵素の働きを抑えることで、関節の痛みや腫れを和らげたり、関節が壊れるのを抑えることが期待できます。これまでの治療で十分な効果が得られなかった場合でも治療効果が期待できますが、副作用にも注意が必要です。

※この他に抗RANKL抗体、漢方薬などを用いる場合もあります。

関節リウマチの治療は、定期的にお薬の効果を確認しながら、症状の早期寛解を目指します。

01薬物治療の開始

メトトレキサート
飲み薬・注射薬
メトトレキサートが使いにくい場合その他の従来型抗リウマチ薬
飲み薬・注射薬

治療効果が不十分な場合

02薬剤の変更

生物学的製剤
注射薬
JAK阻害薬
飲み薬

患者さんの状況に応じてメトトレキサートなどの従来型抗リウマチ薬(飲み薬・注射薬)を併用

治療効果が不十分な場合

03薬剤の変更

その他の生物学的製剤またはJAK阻害薬

患者さんの状況に応じてメトトレキサートなどの従来型抗リウマチ薬
(飲み薬・注射薬)を併用

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治療効果は3~6ヵ月を目安に評価

患者さんのライフスタイルやご希望に合わせて、
錠剤や注射剤を選択いただけます。
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慶應義塾大学医学部 リウマチ・膠原病内科 金子 祐子先生よりご提供